~和歌解釈Ⅱ~
① 定義:メッセージを表に出さず、裏に隠す。
② 手順
⑴ 表の解釈を行う・・深く考えず直訳していく感じです。
⑵ 和歌とばし・・裏のメッセージをつかむ。
和歌以外の部分から、解釈のヒントを探します。
⑶ キーワードをつかむ・・「キーワード」の裏の意味を特定する
「キーワード」とは
本文中で、頻出の語句・掛詞・意味不明な言葉
これらが、和歌でのキーワードになっていることが多いです。
⑷ キーワードを中心に和歌全体をひっくり返す
~和歌解釈Ⅲ~
贈答歌について、複数の人が和歌のやりとりを行う。
基本的には、和歌全体に一貫性があるので、
第一首を徹底的に解釈する!
和歌修辞
① 枕詞・・短い、口語訳不要で、主なものだけ暗記しておけば良い。
例 「あしひきの」→「山」を導く
「たらちねの」→「親」などを導く
② 序詞・・イントロ的な修飾語
長い、口語訳が必要で、自由な形
例
あしひきの 山鳥の尾の しだり尾の 長々し夜を 一人かも寝む
「あしひきの」=枕詞
「山鳥の尾のしだり尾の」=序詞
→山鳥の、垂れ下がった尾のように長い長い夜を、一人で寝ることだろうな
見抜くポイント
序詞になっている「山鳥の尾のしだり尾の」
と
「長々し夜を一人かも寝む」
が、一見、無関係になっている和歌は、序詞を疑います。
だって、なかなか寝られず、夜が長いな~っと思っている時に、
「山鳥の尾」を思い起こしたりしないですよね笑。
③ 掛詞・・一つの単語に二つの意味を含む、簡単に言うと、ダジャレです。
例 「ながめ」=「長雨」と「眺め」
「あき」=「飽き」「秋」 など
本文読解時の「キーワード」になっているもの
④ 縁語・・連想して、結び付けられる言葉、簡単に言うと、連想ゲーム
例 「火」→「煙」、「衣」→「着る」 など
見抜き方のコツとしては、
名詞に注目して、その名詞の状態・様子を表す言葉を探す!
この縁語の利用法は、実は、掛詞を見つけことに使います。
例
唐衣きつつなれにしつましあればはるばるきぬる旅をしぞ思ふ
「唐衣」→「着」「なれ」「褄」「張る」「着」
これらが全て縁語になります。
そして
縁語になっている部分が「掛詞」になります。
「き」→「着」「来」、「なれ」→「萎れ」「慣れ」
「つま」→「妻」「褄」、「はる」→「はるばる」「張る」
という感じですね。
注意すべきなのは、
ひらがなになっている部分が掛詞、ですね。
もし、問題の出題上、
全て、ひらがなで表記されたら、役に立たないです。
⑤ 隠し題(物名)・・与えられた題としての言葉を歌に読み込む技巧
例
題「桔梗の花(きちかうのはな)」
秋近う野はなりにけり白露の置ける草葉も色変はりゆく
どうですか?
「桔梗の花」見つかるでしょうか?
この一見、見つけられないのに、
周りの人々がこの和歌を
称賛していたら、確実に隠し題ですね。
見つけ方としては、
① 全て、「ひらがな」で表記することです。
② 題も和歌もひらがなに直す時は、「歴史的かな」で
すると、「桔梗の花」=「きちかうのはな」です。
和歌をひらがなにすると、
「あきちかうのはなりけり」・・ここにあるわけですね。
隠し題はよく、問題にも絡むので、注意しておきましょう!
⑥ 比喩
見抜き方としては
① 本文に全く関係ない単語が和歌にある場合
② 表現したいことと、比喩表現には何かしら共通点がある
例
「女郎花」=「女性」、「宮城野」=「宮中」
以上が、よく入試などでも、問題に関係するものになります。
ぜひ理解しておきましょう!